昭和50年代に現在の瓦に吹き替えたと漏れ聞いています。
その前は茅葺だったでしょうか・・。
瓦(いわゆる日本瓦、三州瓦とか、いぶし瓦とか)は
その重さに弱点があるものの、割れない限り
メンテナンスフリーで半永久的に持つ理想の屋根材!
と、常々吹聴してまわっていますが・・
ですが・・今回、別の仕事の現場で、
『セメント瓦』なるものに遭遇しました↓(派手な色やなー・笑)
見た目は瓦ですが、似て非なるものです。
日本古来の瓦は、粘土を1300程度の高温で焼き
陶器質化するので、瓦自体に防水機能があります。
陶器のお茶碗が水漏れしないのと同じ原理ですね。
そもそも塗装はしませんので、塗装がはがれる心配はありません。
一方のセメント瓦は、セメントを成形して乾燥させただけ。
よって、それ自体に防水機能はなく
表面の塗装に防水性能を持たせています。
今回の現場のセメント瓦をアップで見てみると・・・
白くぽつぽつと穴が開いているのがわかるでしょうか?
表面の塗装が剥げてしまって、セメントの生地が見えています。
ここから雨水がしみこむ可能性大です。
昭和の高度成長期時代に多く生産されたというセメント瓦。
なにゆえ??塗装の色が自由なところが評判だったとか。
赤とか、青とか、緑とか・・派手な色が人気だったそう。
んー、瓦と言えば、あのいぶし銀の渋さこそが魅力!
と思いますが・・時代の感性って不思議ですね。
しかも!古来の製法の方がずっと理にかなっていて高性能。
温故知新。やっぱり古民家には先人の知恵が詰まってる。
しかも、1枚割れても交換が超簡単!
↑これはセメント瓦の写真ではありますが、
ひょいひょい!っと一枚一枚簡単に脱着できる。
恐るべし瓦!これほどメンテナンスに優れた屋根材は
他に例をみません。しかも、割れない限り半永久的。
ただし、瓦を押さえる漆喰や土はやせたりして
雨漏りの原因にもなりますので、やり替えは必要です。
ですが・・瓦は一度地面におろして
また再利用ができる! 瓦ばんざーい♪
地震大国の日本としては・・その重さだけが弱みですねぇ・・。
なので・・茅葺の古民家には、
なんちゃって瓦(軽い金属製)が人気です(笑)↓